半年前に契約終了になった派遣会社の所長から電話があった。
スマホが鳴るので名前を見ると、半年前に契約終了した派遣会社の所長だった。
最初は、何だろう?・・・と思ったけれど、そんなに悪い印象はなかったので、電話に出た。
所長は「しばらくです。元気でしたか?今、何処かにお勤めですか?」と訊いて来た。
ん?・・・「契約があと1ヶ月で終わりになります」と聞かされた時に、「続けて来たネットビジネスを本腰を入れてやり直します」とはっきり言ったのに、人の話を聞いてないなぁ・・・と思いながら、「勤めていませんよ」と答えた。
すると、少しだけ所長の声のトーンが高くなって、「そうですか。それなら、ちょうど良かった。前の会社で欠員が出たので誰かいませんか?ということで、還暦オヤジさんはどうかなと思いまして・・・」と言う。
本当にこの人は人の話を聞いていないのか、忘れっぽいのか。還暦オヤジはちょっとだけがっかりしながら、「でも、自分の仕事もありますしねぇ」と答えた。還暦オヤジの答えが終わるか終わらないかの内に所長は「ならば、話を進めてもいいですかね」と言う。本当にこの人は人の話を聞かない人なんだと思った。
還暦オヤジはすかさず「自治会の役も受けちゃっているし・・・」と言うと、所長は「では、またご連絡します」と一方的に電話を切った。還暦オヤジはもう怒る気もしなかった。
実は半年前まで、この派遣会社の派遣先に2年弱という期間、まぁ真面目に勤務した。同じ派遣会社から来ていた人は、やたらとサボる人だったので、還暦オヤジとのコントラストが余計に際立ったかもしれない。
そのよくサボる人は還暦オヤジよりも3ヶ月先にほぼクビのような状態で契約終了した。還暦オヤジは、派遣社員は一人となったので、これは長く勤められるかもしれないと少しだけ安心していた。まさか、その3か月後に契約切れになるとは思いもしなかった。
世話になっていた派遣会社はそんなに大きな会社でもなく、対応もあまり良いとは思えなかった。
還暦オヤジとしては派遣会社は2社目なので、そんなに派遣会社に詳しくはないけれど、最初の派遣会社はかなりの大手で、その派遣先の会社も日本国民なら誰もが名を知っているのじゃないかと思うくらいのメジャーな大手の会社のグループ会社だった。
その派遣会社はびっくりするほど対応が良くて、還暦オヤジは感心するばかりだった。そこの担当者も、フットワークがめちゃめちゃ軽くて、契約更新の時も派遣先の会社まで来てくれて、派遣社員の手を煩わせることはなかったなぁとしみじみ思う。
2社目の派遣会社は、当初の担当者はそこそこ動いてくれたけれど、担当が変わって、還暦オヤジの担当者が所長になったのには驚いた。でも、その所長は一度も顔を見せず、いつも電話連絡だけで、還暦オヤジは今でも所長の顔は知らない・・・w。
しかし、そんな派遣会社を半年前に契約切れになった後に、ほんの気持ち程度だったけれどお金が振り込まれた。
ちょうど源泉徴収票が送られて来て、所長から届いたかの確認の電話があったので、少しのお金が振り込まれていたと言うと、「真面目に勤務してくれましたので、気持ち程度ですが」という答えが返って来た。
金額の問題ではなく、嬉しかったことを覚えている。
ま、以上のこともあって対応はあまりよくなかったが、そんなに悪い印象もなかったことも確かだ。今夏のオファーについては還暦オヤジ自身あまり乗り気ではないが、条件次第では・・・とも心の片隅で思っている。