はちみつ 旬

3月になると人間だけじゃなくて、ミツバチもブンブン飛んで活動的になるので、はちみつの旬な時期は春かな?って、思っていたんですが。

はちみつの旬は春だけじゃない?

いろいろ見聞きしていると、はちみつの旬はどうも春だけじゃないなぁと思い始めました。はちみつといえばレンゲソウを想像してしまうので、はちみつの旬は春だという思い込みがあります。が、そうではないんです。

蜜が採れる花が咲いている時期が旬

まず最初に、3月8日はみつばちの日です!
これを踏まえてこのブログを読んでください。
深い意味はありませんが・・・ ^ ^
ちなみに、はちみつの日は8月3日になります。

春になってミツバチが元気に飛ぶようになっても、蜜が採れる花がなければ、蜜を集めることが出来ません。

ということは、花が咲いている時がはちみつもたくさん採れて、その時期がはちみつの旬だということになります。でも、花って咲く時期がそれぞれ違いますよね。

はちみつになる花の咲く時期は?特徴は?

ハチミツとなる花には多くの種類があります。さすがに、これほど多いとは思いませんでした。日本で人気のハチミツの花の種類を挙げてみました。

【レンゲのはちみつ】
採取時期は4月~5月です。
味にはコクがあって、日本人好みです。色も日本人のはちみつのイメージに合った色をしています。日本のはちみつの中では一番ポピュラーなものですが、国産レンゲ草の減少によって、中国産のレンゲ花のはちみつにシェアを奪われています。

【アカシアのはちみつ】
採取時期は5月下旬~6月下旬です。
味は上品で、レンゲ花のはちみつと比べると、すっきりとした味わいです。
特徴として、他の蜂蜜のように気温が下がっても固まりにくいのでとても使い易いはちみつです。

【トチのはちみつ】
採取時期は5月下旬~6月です。
味はまろやかな甘さがあって、癖もないので、多くの方に好まれているようです。
アカシアのはちみつと同様に、冬でも固まりにくい性質を持っています。

【ミカンのはちみつ】
採取時期は5月です。
味は上品でフルーティな甘味があります。後味にみかんの風味がするのが特徴です。
その土地のみかんによって、味わいや色が違ってくるのも自然相手だからですね。

以上が、日本で人気のあるはちみつです。

人気のあるはちみつを採取する花の開花時期は4月から6月がほとんどです。
ということは、はちみつの旬な時期は春と言っても間違いではありませんね。
厳密に言えば「初夏」になりますが。

他にも色々な花からもはちみつは採れます

はちみつ 時期

はちみつと言えば、レンゲ、アカシア、トチ、ミカンが思い浮かびますが、他の花からもはちみつは採取できます。
ただし、それらの花からは蜜がたくさん採れなかったり、蜜の味や香りに癖があったりして一般に浸透しないことが多く、ますます存在を知られないままのことが多いんです。
中には、何となくそんなハチミツって聞いたことがあるねって、思うものもあります。

リンゴやコーヒー、そば、栗などがそうです。ラベンダー、菩提樹、なたね、クローバーなどのはちみつの種類もあるようです。
色々な花の蜜が混じった百花蜜というハチミツもあります。レンゲや菜の花など様々な花から得たハチミツで、濃厚でまろやかな味わいが特徴です。

はちみつは旬の時期にこだわらなくていいの?

はちみつは他の食べ物のように、「今が旬だから食べましょう!」というようなことを聞いたことがありません。どうしてなのでしょうか。

旬の時期というよりも、はちみつは腐りません!

はちみつの旬の時期というのは、だいたい春頃だろうというのは分かりました。
しかし、旬の時期だから蜂蜜が特別に美味しいかと言えば、そんなに差がないのが実際のところです。

はちみつ 腐らない

旬を過ぎると、ハチミツの風味や香りに変化が出るという方もいらっしゃいますが、還暦オヤジにはぜんぜん分かりませんでした。

還暦オヤジは鋭い味覚や嗅覚を持っている訳ではありませんが、普通の感覚はあるつもりです。
そのくらいに、ハチミツは劣化しない食品なんですね。劣化しないというよりも、はちみつは腐らないんです。

えっ 腐らない?

はい、そうなんですね。はちみつは腐りません。

理由は何でしょうか?

・糖度が高いために混入した細菌が殺菌される
はちみつの糖度は80%にもなるために、細菌は水分を確保できず、死滅してしまうと言われています。糖分や塩分が高いとその浸透圧で水分が吸収されてしまうのですね。野菜を塩で漬けると水分が出て来て、漬物として長持ちするのと同じようなことです。

・はちみつ自体に強い殺菌能力がある
難しいことは省きますが、はちみつには元々酵素があります。その酵素が、空気中の酸素と結びついて非常に強い殺菌作用を持つ物質に変化して、微生物が混入してもすぐに殺菌されるのです。はちみつは生れついての防腐剤みたいなものなのですね。

・強い酸性
はちみつは私たちが思っているよりも強い酸性です。酸性だということからも細菌などが繁殖し難い訳です。ちなみに、ハチミツは体内に入るとアルカリ性に変わるので、食品としてはアルカリ性食品に分類されます。

以上から、
はちみつは常温で保存していてもぜんぜん大丈夫なわけです!

はちみつには賞味期限がなかった

上記のように、はちみつには強い殺菌力があり、水分も少ないために細菌が繁殖できない状態を保てる食品です。

なので、はちみつには賞味期限がありませんでした。はちみつに賞味期限の記載が義務付けられたのは、1996年4月でした。

他の食品に比べたら、義務付けが遅いと思いますが、それは、はちみつは腐らないというのが一般常識だったからです。容器に賞味期限が書かれているのは、法律上のことからなのですね。

賞味期限というのは、風味を損なわずにおいしく味わえる期間のことです。ですから、間違った保存方法をしない限り、どんなに時間が経っても、ハチミツが腐る訳でも、食べられなくなる訳でもないのです。

でも、はちみつも長く保存していると、やはり風味が落ちてしまったり、色が濃くなることがあるようです。

はちみつはいつまでも持つ!・・・というよりも、美味しく優れた食品なのですから、どんどん消費していれば、賞味期限が過ぎるということはないでしょう。

ちなみに、ラベルに記載されているはちみつの賞味期限は、メーカーによって違いますが、2~3年程度となっています。

こんなにスゴイはちみつも劇的に変化してしまう時がある

固まったはちみつ

ハチミツについて、知れば知るほど素晴らしい食品だと思います。
ハチミツは、いつもそばにあるような身近な食品なので、あらためて、ハチミツについて考えるという機会がなかったと思います。そんな、まるで万能な食品のようなハチミツが変になってしまったから、捨ててしまったということを何度か耳にしたことがあります。

それは、ハチミツが濁って固くなったというのです。

「あるあるあるっ」っていう方も多いんじゃないでしょうか。還暦オヤジのところでも、よくハチミツが固まっていました。
でも、捨ててはいけません。もったいないですよ。

これは、ハチミツの結晶化だからです。ハチミツの品質には何の問題もありません。

この結晶化の原因は、はちみつに含まれる花粉とブドウ糖にあります。天然の蜂蜜に含まれる花粉を核にブドウ糖が結晶を作ります。すると、はちみつが結晶化(固まる)するのです。
ブドウ糖が多いはちみつは結晶化し易いようです。でも、結晶化しないから天然のハチミツではない・・・ということではありません。アカシアやトチ、リンゴなどのはちみつは、結晶化しにくいとされています。特にアカシアのはちみつはほとんど結晶化しないようです。
はちみつは以下のような状態になると結晶化しやすいようです。

・気温が14℃以下になった
・保管していた所に温度差が生じた
・長期保存していた

冬はどうしても気温が低くなるので結晶化しやすくなりますね。還暦オヤジは、はちみつが固まってザラザラした舌ざわりも好きなので、そのままパンに塗って食べたりします・・・ ^ ^

固まったはちみつを元に戻す方法

【湯せんして元に戻す】
1.鍋に水を入れ、50度くらいまで温度をあげる
2.蓋を外したハチミツの容器を鍋に入れる
3.ハチミツが溶けて来たら、ゆっくりかき混ぜ続ける
4.お湯の温度を50度以上に上げないように気を付ける
5.結晶が完全に溶けるまで続ける
※ハチミツが45度以上になると変質するので気を付ける
※30分以上の時間がかかりますがゆっくり溶かします

【レンジで温めて元に戻す】
1.蓋を外した容器のままレンジに入れる
2.レンジで少しずつ確認をしながら温める
3.レンジでは過熱にムラが出るのでかき混ぜながら
4.ハチミツの量によりますが2分ほどでOK
※加熱し過ぎるとはちみつが変質するので注意
※容器が熱に弱い物は別の容器に移してから加熱すること
※使う分だけ皿に移して加熱することも出来ます

中途半端に加熱して、結晶を完全に溶かさないと、またすぐに結晶化しやすくなります。

はちみつは1歳未満の幼児に食べさせてはいけない

はちみつ 赤ちゃん

はちみつは優れた食品で、健康にとても良いものなのですが、1歳未満の赤ちゃんには絶対に与えないように気を付けましょう。

はちみつにはボツリヌス菌が含まれていて、それを赤ちゃんが口にすると、乳児ボツリヌス症という病気になってしまうリスクがあるのです。
はちみつが含むボツリヌス菌は非常に微量なので、大人が口にしても何の影響もないのですが、赤ちゃんはまだ免疫力も弱く、腸内環境も整っていないためにボツリヌス菌の繁殖を止めることができません。すると、乳児ボツリヌス症を発症してしまうのです。厚生労働省でも「はちみつは乳児ボツリヌス症予防のため満1歳までは使わない」と、注意喚起をしています。

ただし、ボツリヌス菌はすべてのはちみつに含まれている訳ではありません。日本の国内で販売されているはちみつ製品の一部のはちみつにボツリヌス菌が含まれているだろうと言われています。

ボツリヌス菌を含んでいるはちみつかどうかは見た目では判断できませんので、くれぐれも赤ちゃんにはハチミツを与えないようにしましょう。

まとめ

はちみつの旬の時期は、基本的に春と言ってもよいでしょう。
しかし、はちみつは劣化せず、腐らないので旬の時期がいつかなどと問われることはまずないようです。
はちみつは、蜜が採れる花によってその特徴が変わってきます。味や風味も違うので、好みによってはちみつを選ぶようにしましょう。日本では、レンゲやアカシア、トチ、ミカンなどが好まれています。
優れた食品のはちみつですが、気温の低下によって結晶化と言って、固まってしまうことがあります。その場合には、湯せんやレンジで温めて溶かすことが出来ます。
ハチミツの扱いで、唯一、気を付けなければならないことがあります。
それは、ボツリヌス菌の影響を受けやすい、1歳未満の赤ちゃんにハチミツを与えてはいけないということです。これだけは、必ず守りましょう。
はちみつは栄養価の高い食品ですので、積極的に摂取したいものです。